分業により新規訪問数が前年比の172%!営業活動における「分業」の基礎知識と注意点を解説

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分業

営業担当が、アポ取りから顧客訪問、見積書作成&提出、納品後のフォローアップまですべて1人でやっている企業はまだまだ多いのではないでしょうか?情報化の進展に伴い営業の仕事が広範囲かつ複雑になっている今、営業の生産性を向上させるために、営業プロセスの「分業」を進める企業が増えています。

「分業」自体は既に幅広い分野で取り入れられています。例えばプロ野球の投手の場合、かつては完投勝利を目指すのが普通でした。ところが今や、ひとりの投手が完投する試合は珍しく、先発・中継ぎ・クローザーと複数の投手が継投するスタイルが一般的です。これも、試合終盤での球威の衰えや肩のダメージなど科学的データに基づいた「分業」の一例と言えます。企業においても製造業では、設計や部品の製造など細かな工程ごとに担当を分け、それぞれが技術を研ぎ澄ますことでよりよい製品づくりを目指す分業が進んでいます。

これからは営業でも「分業」が主流になっていくハズ。そこで、そもそも分業とは?どんな業務を分けるのか?など「分業」の基礎知識から注意点まで分かりやすく解説します。

本コラムの目次

忙しすぎる営業を変える「分業」とは?

「マーケティング部門がイベントやセミナーで新規見込み客のリストを集めたのに、営業がフォローしきれていない」そんな問題はないでしょうか?せっかく獲得した名刺情報を営業部門に引き継いでも、営業が忙しくて迅速なフォローができていない・・・といった話はよく聞きます。関連部門間で情報の流れが滞ってしまう結果、新規顧客獲得につながらない、実にもったいない事態です。

また、「売上UPのためには新規顧客への営業が重要」と分かっているのに、様々な業務に追われ、訪問できていないという課題もよく耳にします。さらに、「既存のお客様への御用聞き訪問」を優先。訪問件数の目標を達成するため、行きやすい・仲がよい顧客ばかりを訪問しているケースも少なくないようです。訪問件数は多いけれど、売上はUPしない原因の1つです。

こうした営業の課題は、「分業」によって解決できます。具体的には、営業担当は顧客訪問・提案といったコア業務のみに集中させ、その他非コア業務を組織で分担できる体制を用意するのです。中でも特に、これまで“営業の仕事”と思われていた「新規アポイント」や「見積作成」といった業務は、分業の対象としてオススメです。これらの業務をほかのメンバーがサポートするだけで、即、営業の効率化・売上UPなど大きな効果が期待できるからです。

分業の2つの種類 – 「リレー型」と「ピールオフ型」

では、具体的に分業を進めるにはどのような方法があるのでしょうか?分業を仕組み化するには「リレー型」と「ピールオフ型」の2種類あります。

まず、部門を越えて業務を引き継いでいく方法が「リレー型」です。集客、見込み客フォロー、販売・提案、ファン化といったフローの中で、集客はマーケティング部門、ファン化(アフターフォロー)はサポート部門などが担当している企業も多くあります。「マーケティング部門が新規見込み客リストを集め、営業に渡す」のも確かに1つのリレー型分業です。しかし、「大きなイベントはマーケティング部門が担当し、小規模なセミナーは営業がやっている」「クレーム受付はサポート部門があるが、ファン化に向けたフォローアップは営業が担当している」そんなことはないでしょうか?こういった業務をすべて他部門に任せ、営業は営業活動に特化する、それがリレー型分業のあるべき形と言えるでしょう。

一方、営業が担当する“営業活動”の中にも、誰でもできるような作業は多くあります。例えば、顧客訪問に付随する名刺入力や見積・請求書作成、アポイント調整といったものは必ずしも営業自身がやらなくてもよいはず。これらの非コア業務を営業から「ピールオフ(引き剥がす)」することで、営業活動の中でもさらにコアとなる業務に注力できるようにするのがピールオフ型分業です。これにより営業が社内業務にかける時間が大幅に減り、業務の効率化に加え残業削減などの効果も期待できます。

分業の2つの種類 - 「リレー型」と「ピールオフ型」

どちらのスタイルであっても、分業するならばマニュアルが必須。業務の棚卸と担当者(担当部門)が取り決めをし、“誰でも対応できる”レベルまでマニュアルに落とし込むことが重要です。これを怠ると作業者によってバラつきがあったり、手戻りが発生したり、作業に漏れがあったりと分業がうまくいかない原因となるので注意しましょう。

分業で「営業がコア業務に集中できる」ことで実現するメリット

営業業務の分業でカギを握るのが「アポイント調整」です。新規アポイント、既存顧客とのアポイントにかかわらずアポイント調整/取得は営業活動の一環のように考えられていますが、かなり時間を取られる業務でもあります。特に新規見込み客リストは1~2回電話して不在だと、面倒になってそのまま放置・・・となりがち。既存顧客であっても先方の担当者と上司、こちらも上司に同行を依頼して・・・と人数が増えてくると全員の日程を調整するだけでもアレコレと手間がかかっているのが現状でしょう。

分業によりこういったアポイント調整を営業から切りはなすことで、営業に注力してほしい顧客訪問などのコア業務にリソースを集中できるのです。新規見込み客リストも、新規アポイントを専門に行うスタッフが対応することで漏れなくフォローできるようになります。新規見込み客リストをしっかりフォローした上で、営業の顧客接点が増えていけば、自然と新規顧客開拓の打率、営業効率も向上していくはずです。

分業の注意点:情報共有ができなければ、うまくいかない

ひとつ、分業を行う際に外せない注意点があります。それは「分業はCRM/SFAのような“情報連携基盤”がなければ絶対にうまくいかない」ということ。新規のアポイントが取れたとして、営業が自分自身でアポイントを取っていればそのときの印象や情報をすべて理解した状態でアポイントに臨めます。しかし、アポイントを分業した場合はどうでしょうか?どんなキーワードに興味を持ってもらったか、電話での担当者の印象などの事前情報なしにスケジュールだけ共有されても、営業は何も準備ができず、顧客を訪問しても効果的な営業活動ができるとは思えません。連携する部門間で情報を共有化できなければ、分業は机上の空論で終わってしまうのです。とはいえ、情報共有をメールや打ち合わせでしようとすると、時間や手間がかかり、とても現実的とは言えません。そこで情報連携基盤を整え、顧客情報を1ヵ所に集約。テレアポでの接点や背景、担当者の様子から、これまでの取引情報、人脈、企業の属性情報までまとめて見られる仕組みを用意することで、分業の効果を最大化できるのです。

分業はCRM/SFAのような“情報連携基盤”がなければ絶対にうまくいかない

成功事例に学ぶ、分業の進め方と効果

では、実際に分業して営業を行っているA社の事例で、その進め方と効果を紹介しましょう。営業の残業が恒常化し、疲弊していたA社。この状態を打開するために分業を進めることとしました。最初のステップでは、営業が担当している業務をすべて洗い出し、そのうちコア業務として「顧客訪問」「プレゼン」「クロージング」を挙げるとともに、「見積作成」や「新規アポイント」はノンコア業務として“営業にはさせない!”と決めたのです。そして、リレー型とピールオフ型の両方を取り入れ、営業はコア業務のみに集中できる環境を整えました。

ノンコア業務はマニュアル化を進め、ほかのスタッフやアルバイト要員を補充してサポート。新規見込み客へのアポイントもコール担当のスタッフが対応し、月60~70件ものアポイントを取得できているそうです。この効果は・・・というと、前年と比べて新規訪問数は172%、提案実施件数も142%を達成!営業の社内業務も月48時間削減できたそう。つまり1日あたりに換算すると約2時間半。9時まで残業していた人が6時半に帰れる、または1日に顧客をもう1件訪問できるようになった、ということになります。これだけの効果が得られるのであれば、分業も十分チャレンジする価値があると言えるでしょう。

「コア業務」と「ノンコア業務」に仕分けることにより分業を進める

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